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SUBARU健康保険組合 太田記念病院

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ピックアップ

ワクチンで防ぐ感染症

コロナウイルスだけじゃない!

おとなのワクチン

感染症にならないために

さまざまな感染症がわたくしたちの生活を脅かします。感染予防のたくさんの方法のうち、ワクチン接種は有効な 感染症に対しては特に秀でた効果を示します。しかし有効なワクチンがない感染症のみならず、ワクチンがあっても、それだけで感染症を克服できるわけではありません。はじ めにワクチン以外の感染予防策にも触れたいと思います。

ユニバーサル・マスキング
ユニバーサル・マスキングは旧来医学の非常識、これからの新常識

新型コロナウイルス感染症(以後、新型コロナ)では感染者の症状出現2日前から症状出現直後にかけてウイルス排泄が最多になり、他者に感染させてしまう力が症状のピークより先に強まると考えられています。したがって、症状を自覚しなくともひとにうつさない努力を払うことが大切です。新型コロナの時代になって、みんながお互いを守り合うユニバーサル・マスキングが医学的に認められるようになりました。

ソーシャル・ディスタンシング
ソーシャル・ディスタンシングは疫学的に実証された策

新型コロナの時代になってすぐ、いわゆる三密(密閉、密集、密接)を避ける生活様式が勧められるようになりました。実際にこの三密が揃うと感染する可能性が相乗的に高まることが世界中で確認されています。

手指衛生
手指衛生はあらゆる感染症予防の要

①石けんと流水による手洗い

石けんやハンドソープを使用し、流水で洗うことが基本です。石けんやハンドソープなどの界面活性剤には皮脂や汚れを落とすだけでなく、細菌やウイルスを傷つける作用があります。石けんをしっかり泡立てたあと、十分の流水で流すことが有効です。流水のみの手洗いや溜めた水でのゆすぎは避けましょう。また、洗い残しやすいところを意識して手洗いすることも大切です。

②アルコール手指消毒

アルコール製剤で手指消毒をすると石けんと流水による手洗いと比較して、より短時間より多くの細菌やウイルスをとりのぞくことができます。ただし、手がかすかに湿るような使用法では有効性はとても低下します。30秒くらい手を擦ってもまだ残るくらい手全体がびっしょり濡れる量のアルコールを使用することが重要です。またアルコールは不適切に希釈されると消毒力を失います。信頼できるメーカーの製品を選ぶとよいでしょう。

ワクチンは子どもだけのためのものではありません

子どもたちはもちろん成人も適切にワクチンを接種して必要な免疫をつけておくことは、とても大切なことです。
新型コロナについても短期的には極めて有効なワクチンが普及しました。今後3回目の接種がはじまる見通しです。3回接種での長期的な有効 性に注目が集まっています。

ところで、ワクチンの目的は大きく2つに分けられます。ひとつは個人免疫といって、接種したひとをかかりにくくしたり、かかったときに症状を軽くしたりする目的があります。もうひとつは集団免疫です。多数のひとが免疫をもっているとその集団全体の感染リスクが下がることが知られています。新型コロナについてもワクチンの集団免疫が機能していくのか、結論はまだすこし先になりそうですが、ワクチンには本来、自分だけでなく隣人をも守る目的があるということを強調したいと思います。

おとなのワクチン①
子宮頸がんとヒトパピローマウイルスワクチン

子宮頸がんは日本人女性で5番目に多いがんですが、世界的には減少が期待されています。このがんのほとんどはヒトパピローマウイルスの感染が原因で、有効なワクチンがあるためです。一方、日本ではこのワクチンの接種率が非常に低く子宮頸がんも減少していないという現状があります。以前、ワクチンと“多様な症状”の関係が懸念されたことと関連しています。しかしそれらの症状とヒトパピローマウイルスワクチンとの関係性は証明されず、このほど日本でもこのワクチンの接種勧奨が再開されることになりました。女性では2価または4価のワクチンが公費で受けられます。また接種しそびれた女性への救済措置、キャッチアップ接種も始まる見通しです。そのほか女性は有償・任意で9価のワクチンも今年から接種できるようになっています。男性では有償・任意で4価ワクチン接種を受けることができます。

おとなのワクチン②
インフルエンザと肺炎球菌ワクチン

肺炎球菌による肺炎はときに適切な診断・治療ができても救命できないほどの重症化をきたします。インフルエンザのあとなどにかかりやすくなります。インフルエンザはそれだけでもときに重症ですが、その後の肺炎、脳や心臓の血管の病気などによる“関連死亡”も問題です。この肺炎球菌感染症を予防するワクチンがインフルエンザワクチンと同様に有益です。

おとなのワクチン③
帯状疱疹とワクチン

帯状疱疹とはみずぼうそうと同じウイルスが原因の皮膚疾患です。加齢、糖尿病、がんなどによる免疫力の低下で特に50歳以上で発症率が高くなり80歳までに約3人に1人が発症するといわれています。子どもの頃にみずぼうそうに罹患すると治った後もウイルスは体内に潜伏しています。免疫力が低下するとウイルスが再び活性化して帯状疱疹を発症します。また多くの場合水疱が治ると痛みも消えますが、ときに、皮膚がきれいになってもひどい痛みが続くことがあります。これは帯状疱疹後神経痛といい、最も頻度の高い合併症です。これらを予防するため50歳以上のひとには、ワクチン接種が勧められます。

おとなのワクチン④
風しんとワクチン

風しんは、風しんウイルスが原因の発疹性感染症です。感染性は強く、発症前や無症状の感染者からも広がります。麻しんほど重症化する可能性は高くありませんが、母体を通して胎児が風しんウイルスに感染すると、生まれつき視力、聴力、心臓、肝臓、造血機能などに障がいをもつ先天性風しん症候群の赤ちゃんが生まれる可能性があります。以前に定期予防接種の対象にならず免疫を持たない中年男性から妊婦さんへ感染が広がることがありえます。今年度43〜59歳になる(昭和37年4月2日から昭和54年4月1日までに生まれた)男性は無償で抗体検査をうけ、風しん免疫がないとわかった場合、麻しん風しん混合ワクチン接種を受けることができます。この措置は今年度末までの期間限定で、実際には2022年2月くらいまでで打ち切られる見込みです。未接種のかたは未来の赤ちゃんたちを守るためにも、ご協力をお願いします。

ワクチンはあなたを守り あなたの大切な人を守ります 転ばぬ先のワクチンを

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