SUBARU健康保険組合 太田記念病院

診療科紹介department

乳腺外科

9月の外来診療担当表

予約者のみ 吉田PM
14:00~16:00
木村 AM 後藤(與) AM 木村 AM 吉田 AM
吉田 AM 後藤(與) AM

全科の外来診療担当表はこちら

特色

当科では乳がんを中心とした乳腺疾患全般にわたる診療を常勤医2名、非常勤医1名で行っています。
乳がんの年間手術件数は100件前後で、乳房温存率は50~60%です。
生涯を通して、日本人女性の12人に1人が乳がんにかかるといわれており、2016年には新たに9万人の人が(2015年には8万9千人の人が)乳がんにかかると予測されています。乳がんは40歳から60歳代に多く発見されていますが、最近は高齢者の乳がん患者さんも増えており、糖尿病や循環器疾患、腎臓疾患を合併している患者さんもいらっしゃいます。当院は総合病院であるため、これらの合併症のある患者さんにも各科の協力を得て対応しています。

特色
  • 2015年からは形成外科と連携し、乳房を切除した患者様への乳房再建術も行うことが出来るようになりました。
  • 脇の下のリンパ節に対する手術侵襲を抑えるためのセンチネルリンパ節生検は、色素法とラジオアイソトープ法を併用して行っています。
  • 腋窩リンパ節郭清を受けた患者様や乳房を切除した患者様には、術後の上肢の運動機能が早く回復するように、リハビリテーション科がリハビリ指導を行います。
  • 最近は手術方法の進歩により、リンパ浮腫が起こることは少なくなっていますが、リンパ浮腫に対してはリンパ浮腫外来で専門のスタッフが対応しています。
  • 化学療法(抗がん剤)は外来化学療法センターで薬剤師や化学療法認定看護師のサポートのもとに安全かつ快適に行えるように努めています。
  • 術後の補正下着の相談会を専門メーカーの方に来ていただき、定期的に行っています。日程等はスタッフにお聞きください。

主な乳腺疾患

乳がん

乳房の中には、乳汁をつくり、分泌するための乳腺組織があります。乳腺組織は、乳汁を作る小葉と、作られた乳汁を乳頭まで運ぶ乳管からできています。
乳がんは、この乳腺(乳管や小葉)の細胞ががん化し、異常に増殖することによってできる悪性腫瘍です。乳がんの90%は、乳管の細胞からできる「乳管がん」です。小葉から発生する乳がんも5~10%あり、「小葉がん」と呼ばれます。
がん細胞が乳管の中に留まっていて、乳管外に出ていないものを「非浸潤がん」と呼びます。がんが増殖し、乳管を破って外に広がったものは「浸潤がん」と呼びます。乳管から外に広がった「浸潤がん」は、血管やリンパ管にはいって全身に転移する可能性を秘めています。

乳がん
乳腺症

正常の乳腺は、女性ホルモンの変化に反応して増殖と萎縮をくりかえしています。生理前に胸が張って痛くなったり、生理後に胸の張りがなくなったりするのはこのためです。乳腺症は、女性ホルモンの影響で乳腺が張ったままの状態になり、しこりや痛みがある状態のことです。この変化は、生理をくりかえしているうちに一般的におこるものです。加齢にともなって増加しますが、閉経とともに軽減されます。厳密には乳腺症は病気ではなく、生理的変化の一環であり、基本的に治療の必要はありません。

線維腺腫

境界がはっきりしてよく動く手に触れやすいしこりです。20~30歳代の比較的若い女性に多く見られます。通常は2~3cm程度で成長がとまり、多くの場合治療の必要はありません。しかし、しこりが大きくなってくる場合は葉状腫瘍の可能性や美容的な面を考慮して、摘出手術を行うこともあります。

葉状腫瘍

乳腺の細胞から発生する乳がんと異なり、葉状腫瘍は乳管と乳管のあいだにある間質(かんしつ)の細胞が増殖し、腫瘍となったものです。しこりが急速に大きくなることがあるのが特徴ですが、超音波検査などの画像検査では線維腺腫とよく似ており、鑑別が難しい場合があります。葉状腫瘍には良性〜悪性まであり、多くの場合は良性ですが、悪性の場合は再発や他の臓器への転移の可能性があります。
治療は手術による腫瘤の切除が基本です。

乳腺炎

乳腺に炎症や細菌感染を起こし、赤く腫れたり、痛みや熱をもった状態です。授乳期におこることでよく知られていますが、授乳とは関係なくおこる場合もあります。主な乳腺炎について下記に紹介します。

急性うっ滞性乳腺炎(うつ乳)

授乳期に乳腺からの乳汁の流れが悪くなり、濃縮した乳汁の塊が乳管を閉塞し、その乳腺が腫れて痛い状態です。少し熱っぽく感じます。この時期であれば、授乳を続け、食事内容と十分な休養に注意をして生活し、適切なマッサージを行えば改善します。

急性化膿性乳腺炎

急性うっ滞性乳腺炎が悪化し、乳房の一部や全体が腫れて、痛み、皮膚の発赤、発熱を伴った状態です。乳頭から細菌がはいって感染を起こしていることが多く、抗生物質や消炎剤で治療します。膿がひどくたまっている場合(乳房膿瘍)は皮膚を切開して膿を出します。

肉芽腫性乳腺炎

乳腺の中に炎症が起こり、膿(うみ)がたまり、硬くしこりの様になったり、乳房の皮膚が赤くなったりして、痛みを伴います。マンモグラフィや超音波検査で乳がんと区別が難しい時は、針で組織を採取し、診断します。原因はよく分かっていませんが、自分の体の成分に対して異常な免疫反応が起こってしまう「自己免疫」が関与しているのではないかと言われています。最終出産より5年以内の妊娠可能な年齢の女性に多いと言われています。炎症なのでがんに変化することはありません。膿がたくさんたまっているときは切開することもあります。抗生剤は効かないことが多く、炎症を抑える作用のあるステロイドが有効です。ただ、治療に数カ月以上かかることや一旦良くなっても再発することがあります。

診療内容

精密検査について

検診で要精密検査と判定された方の2次精査や、乳房にしこりを感じた方や血性乳頭分泌が見られる方などの精密検査を行います。
なお、乳がん検診は総合健診部で行っています。

精密検査フロー図
授乳期の乳腺炎の診療について
うっ滞性乳腺炎

母乳外来で助産師が対応します。

急性化膿性乳腺炎、乳房膿瘍

助産師と相談し、切開して膿を出す必要がある場合などは乳腺外科で対応します。

授乳期以外の乳腺炎(肉芽腫性乳腺炎など)

乳腺外科で診療を行います。

乳がん患者さんの診療

乳がんの治療法は、「手術療法」、「放射線療法」、「薬物療法」の3つがあります。
手術や放射線療法は乳房や脇のリンパ節といった「局所に対する治療法」です。
それに対して薬物療法は「全身に対する治療法」です。
これらを乳がんの進行度やタイプに応じて組み合わせた治療を「乳癌診療ガイドライン」に基づいて行います。
当院は放射線療法の設備がありませんが、術後の放射線療法は通院で行えるため、群馬県立がんセンターや足利赤十字病院に依頼しています。

手術件数の推移
乳がん患者さんの診療

手術について

乳がんの手術は、乳房への手術と腋窩リンパ節への手術からなります。これらの手術を進行度やがんの広がりによって行います。

乳房への手術
1. 乳房部分切除(乳房温存術)

乳房温存手術を行うための条件は、下記のとおりです。

  • しこりの大きさが原則3cm以下であること
  • がんが乳腺の中に大きく広がっていないこと
  • 原則として、放射線療法を行えること
乳房部分切除(乳房温存術)
2. 乳房切除術

大胸筋と小胸筋を残し、乳頭・乳輪を含めた乳腺組織をすべて切除します。

乳房切除術
 腋窩リンパ節への手術
1. センチネルリンパ節生検

センチネルとは、日本語で「見張り役」という意味です。がん細胞が最初にたどり着くリンパ節を“がんの転移を見張るリンパ節”と見立ててつけられた名称です。
センチネルリンパ節生検では、がん周辺に微量の放射性同位元素(アイソトープ)や色素(人体に無害な色のついた液体)を注射し、この目印が最初にたどり着いたリンパ節を調べます。センチネルリンパ節にがん細胞が見つからなければ、それ以上遠くのリンパ節への転移はないと判断し、わきの下のリンパ節を切除せずに残すことができます。一方、がん細胞が見つかった場合には、わきの下のリンパ節を広く切除します(腋窩リンパ節郭清)。乳房の手術の際に行います。

主な乳腺疾患 主な乳腺疾患
2. 腋窩リンパ節郭清

「腋窩」とはわきの下のこと、「郭清」とはすべてを取り除くことです。わきの下のリンパ節(腋窩リンパ節)は、脂肪の中に埋め込まれるように存在しており、リンパ節の取り残しがないよう脂肪も含めて腋窩リンパ節をきれいに取り除く手術のことを「腋窩リンパ節郭清」といいます。

主な乳腺疾患
乳房再建術

乳房を切除した場合、形成外科と連携し、乳房再建術を行っています。適応や再建方法等に関しては外来で説明させていただきます。また、乳房再建ナビもご参考にしてください。

担当医

  • 吉田 崇
    吉田 崇
    takashi yoshida
    部長
    • 日本乳癌学会乳腺指導医
    • 日本乳癌学会乳腺専門医
    • 日本乳癌学会評議員
    • 日本外科学会指導医
    • 日本外科学会専門医
    • 日本がん治療認定医機構がん治療認定医
    • 日本乳癌検診学会評議員
    • 群馬県マンモグラフィ講習会講師
  • 安齋 均
    後藤 與四成
    yoshinari goto
    医長
    • 日本外科学会専門医
    • 日本乳癌学会乳腺専門医
    • 日本がん治療認定医機構がん治療認定医
    • 日本DMAT隊員