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SUBARU健康保険組合 太田記念病院

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胃がんについて

胃がんは、がんの中でも男性は罹患率1位、女性3位。死亡率も男性で2位、女性で4位と代表的ながんの一つです。

胃ってどんな臓器?

胃の主な働きは、胃液と蠕動(ぜんどう)運動による消化です。食物の消化にかかわっている胃液には、pH1~2の強力な胃酸や、消化酵素などが含まれています。胃液は、常に分泌されているわけではありません。
おいしそうな食物を見たり、おいしそうなにおいをかいだり、実際に胃に食物が入ってきたりすることで、その刺激を受けて胃液が分泌され、食物が消化されるのです。さらに、消化以外にも食物の貯蔵庫としての役割ももっています。
私たちが食事と食事の間に時間をおけるのも、胃が貯蔵庫になっているおかげなのです。
そして、食物といっしょに入ってくる病原菌などを殺菌して、なるべく体にとり込まないようにしたり、熱いものや冷たいものを食べたときに、それがそのまま腸に行かないように温度調節したりするのも胃の重要な役割です。

消化器の位置関係

消化器の位置関係

胃がんってどんな病気?

胃に発生した上皮性悪性腫瘍を「胃がん」といいます。胃にできる「がん」を総称したもので、主に粘膜層の細胞が変化して発生します。
胃がんは50歳前後から、特に男性で罹患率が高くなります。胃がんになるリスクを高める要因としては、ピロリ菌感染による慢性的な胃粘膜の炎症や、生活習慣(塩分の多い食事、喫煙、野菜や果物の摂取不足)などが挙げられています。

胃がんの定義

胃に発生する腫瘍

良性腫瘍 悪性腫瘍
上皮性腫瘍 腺腫 がん
非上皮性腫瘍 ◯◯腫(例:脂肪腫) ◯肉腫(例:平滑筋肉腫)
胃がんの症状

胃がんの自覚症状は、早い段階で出現することは少なく、がんが進行した場合でも、ほとんどみられないこともあります。がんができた部位によっては、食べ物が入っていきにくいために、または、食べ物が胃の中に滞るために、胃の痛みや不快感、胸やけ、吐き気、食欲不振などの症状が現れることがあります。また、進行した胃がんの症状としては、めまいや息切れ、食後にものがつかえる、吐血や黒色便などがあります。

胃がんの症状

ピロリ菌って?

ヘリコバクター・ピロリ菌は、ヒトの胃の粘膜に生息し、主に胃の病気を引き起こす細菌です。胃の中は胃酸という強酸の環境のため菌が住めないというかつての学説が長い間信じられてきました。しかし1983年にオーストラリアのウォーレンとマーシャルという2人の医師によって胃の中にらせん形の菌の存在が確認されました。
ピロリ菌は胃の粘膜に感染する細菌で感染すると胃粘膜が炎症を起こし、胃酸によるダメージを受けやすくなってしまいます。
ピロリ菌は不衛生な飲み水や食べ物から体内に入ると考えられていて、近年では衛生状態が良くなっており、保護者が離乳食を噛んで子どもに与える行為が感染の大きな要因と想定されています。多くは5歳以下の幼児期に感染します。
(胃酸分泌が少なく、胃粘膜の免疫が不十分なため)

ピロリ菌って?

胃がんの診断・治療

がんであるかを確認するための検査には、内視鏡検査やX線検査などを行い、病変の有無や場所を調べます。内視鏡検査で胃の内部を見て、がんが疑われるところがあると、その部分をつまんで取り(生検:せいけん)、病理検査で胃がんかどうかを確定します。
胃がんの治療は、手術(外科治療)、内視鏡治療、薬物療法(抗がん剤治療)の3つが中心になります。治療法は進行の程度によって決まります。近年治療の成績がよくなりつつあり、生活の質を落とさずに治療の効果を得られるようになりました。
リンパ節の転移の可能性がほとんどない早期のがんであれば内視鏡を用いた治療が行われます。進行したがんの場合は、手術可能であれば手術を行い、抗がん剤治療(薬物療法)を組み合わせて治療を行います。手術が困難な場合には、抗がん剤治療を主体とした治療を行います。

胃がんの診断・治療

ESD:内視鏡的粘膜下層剥離術

食道や胃の壁は粘膜層、粘膜下層、筋層などの層からできていますが、がんは最も内側の層である粘膜層から発生するため、早期がんの中でも粘膜層内にとどまる病変に対して、胃カメラで消化管の内腔から粘膜層を含めた粘膜下層までを剥離し、病変を一括切除するという治療法です。

胃壁の構造

胃がんのまとめ

1)早期発見により根治が望めるがんの一つです。
2)早期発見のために内視鏡検査を受けましょう。(太田市では市の胃がん検診に内視鏡が選択できます)
3)ピロリ菌が確認されたら除菌を受けましょう。
4)胃がんと診断されたら、まず標準治療を理解しましょう。

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