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SUBARU健康保険組合 太田記念病院

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患者支援センターの役割

地域医療連携課
課長 田村 由紀恵
係長 服部 弥生
MSW 粒木 直美

救急科 主任部長 秋枝 一基
患者支援センターの中での地域医療連携課の役割を教えてください

田村:患者様が病院を利用するにあたり、外来から入院、退院そして退院後の相談事や病院としての機能、患者様を全体的に外来から退院後まで支援するという事を目的としています。
患者支援センターの中での地域医療連携課の役割は大きく分けて二つあります。一つは“連携係”として開業医の先生方と当院との取り次ぎや、紹介患者様や転院の患者様の手続きです。
もう一つは“相談係”で、医療ソーシャルワーカー(MSW※)として、社会福祉士の資格を持った職員が 、患者様の退院支援や医療についての相談事全般を受けています。

  • MSW(Medical Social Worker):医療ソーシャルワーカー
    保健医療機関において、社会福祉の立場から患者さんやその家族の方々の抱える経済的・心理的・社会的問題の解決、調整を援助し、社会復帰の促進を図る業務を行う。(公益社団法人 日本医療社会福祉協会より)

【連携係について】
開業医の先生方との取り次ぎというのはどのようなことをしているのですか?

田村:患者様の診療に関して、紹介の相談や「こういった場合は何科にかかったら良いか」という問い合わせ、紹介患者様の窓口対応もしています。また「救急で今すぐ診てもらいたい」という開業医の先生方からの問い合わせの対応もあります。他にも、連携係として入退院の手続きをしています。

具体的にはどのような電話がかかってくるのですか?

服部:検査の共同利用の予約ですね。共同利用というのは、地域医療機関の先生方に受診されている患者様の検査に当院の検査機器が必要なとき、例えばCT、MRI、RI検査、脳波など当院の機器をご利用になる事です。検査だけを当院で行い、結果はご依頼いただいた医療機関へお持ちいただいて、患者様へ結果を説明していただいています。あとは、診療日や休診日の確認、外来診療の予約の問い合わせなどです。
受付時間以外では、開業医の先生からの紹介のお電話を当院の医師に取り次ぐ、といった対応です。開業医の先生から直接、連携係に診療の依頼のお電話をいただき、例えばそれが脳神経外科でしたら、脳神経外科の医師に連絡をして、話を取り次ぐかたちですね。緊急で来る患者様というのは入院が必要になる事も多いので、必ず入退院管理室に病棟の空きベッドの状況を確認した上で担当の医師に電話を取り次ぐようにしています。

開業医の先生方と当院との取り次ぎや紹介患者様や転院の患者様の手続きをする“連携係”医療ソーシャルワーカーとして医療に関する全般の相談を受ける“相談係”の2つがあります
毎日、たくさんの郵送物があるそうですが、それはどういったものですか?

服部:外来や病棟から郵送希望のものは一度全て連携課に集められ内容を確認しています。外部の医療機関などに送るものに関しては“情報提供書”と“報告書”という二種類のものがあります。
まずそれを二つに分けて、それぞれの担当が一枚ずつカルテの内容と情報提供書の内容があっているかどうかを確認します。例えば足の骨折の場合は左と右が合っているか、手術日は間違っていないか等や、誤字脱字の修正です。単純な誤字脱字は私たちで直すのですが、判断できないものは医師に確認をお願いして全部チェックしてもらいます。さらにそれを別の人間がもう一度カルテを見ながらダブルチェックをして、それで初めて郵送となります。

顔の見える地域医療連携を行うために日々、取り組んでいることを教えてください

田村:今は“顔の見える連携”ではなく“分かり合える連携”の時代なんですね。顔をみてお互いがお互いのことを分かりあえてはじめて協働というかたちで、患者様を支えるということになります。そのためにはやはり医師同士の意見交換が大事なのかなと思います。地域の先生方と当院の先生が一緒になって一つの症例を検討し、コミュニケーションを図る事でお互いのことを分かり合えることに繋がるのだと思います。連携医大会や、医師の症例検討会などの講演会もそうですし、医師だけではなく、患者支援センターが中心となって「退院支援を考える会」を行っています。
また市民公開講座もその一つだと思っています。市民の方々の顔が見えるので、その辺りは“顔の見える連携”から“分かり合える連携”になっているのかなと思います。

最近、紹介患者数が増えているようですが、その要因はなんでしょうか?

田村:紹介患者様が増えるというのは、病院に対しての信頼だと思っているので、当院を信頼して来てくれているのだと思っています。
初診で来る患者様は増えていますが、紹介状を持たないで来る患者様は減っています。紹介率が高くなるというのは、紹介状を持ってくる患者様が増えているということなので、病院の機能としては良い傾向だと思います。

地域連携室
【相談係について】
相談係の役割について教えてください

粒木:医療福祉相談が基本なので、退院調整だけではなく、当院に受診されている方が不安に思っている生活や病気の事など、全般的な相談を受けるのが私たちの役割です。
病気をする事によって今までとは体の状態が変わってしまい、不自由が生じた場合は、それをサポートする方法を一緒に探していきます。例えば、障害者認定 された方に対して、「こういったサービスがありますよ」とか「こういう生活の仕方がありますよ」などといった行政のサービスを説明したり、生活のサポートをしてくれる団体を紹介したりしています。
他にも、経済的相談の場合、家族状況や収入状況を伺って、その方が利用できるサービスをご紹介して、手続きをとるという事もあります。

田村:当院のMSWの特長としては全員が社会福祉士の資格を持っています。さらに精神保健福祉士、認定社会福祉士や救急認定ソーシャルワーカーの資格を取得している人もいるので、様々な知識で患者様のサポートを行うことができます。

予約しないで、その場で相談したいというのも可能ですか?

粒木:予約している方が優先なので、すぐに対応できないこともあります。時間に余裕のある方であれば、予約を入れていただき相談をお受けしています。

どういった相談が多いですか?

粒木:急性期病院なので、退院の相談が多く90%くらいを占めています。その他、医療費や家族関係の相談など様々ですね。

10月からMSWを病棟に配置するようになりましたが

田村:一部の病棟を除いて、各病棟に1人ずつ、専任で配置しています。その中でも6西病棟と4西病棟は終日配置しています。

他の病院でも病棟配置はやっているものなのですか?

田村:ナースステーション内にMSWが一日いられる体制をとっているところはこの辺りではないと思います。

今後の目標を教えてください

粒木:院外での活動を増やしていきたいです。学会発表もそうですし、これからは院内だけではなく外部に発信していかなければならないので。あとはMSWの質の平均化を図っていきたいと思っています。

HOPEをご覧の皆様にメッセージをお願いします

田村:是非かかりつけ医をお持ちください。そしてかかりつけ医からお見えになる際は、必ず紹介状をお持ちください。そうしないと救急を受ける受け皿としての病院の役割、機能を果たせなくなってしまいます。救急の患者様を受け入れるためには、症状が落ち着いている患者様は開業医の先生方に診ていただくというのが、地域支援病院としての役割でもあります。大きい病院の方が安心、という気持ちが患者様側にもあると思いますが、「開業医さんは、待ち時間が少ない」「開業医の先生は普段の病気を知っていてくれる」「じっくりと話を聞いてもらえる」「必要に応じて、適切な専門医を紹介してくれる」「午後も診察してもらえる」といった利点があります。
また、MSWという職種を広く知ってほしいです。知っていただいて、何かあった時にはご相談ください。そしてMSWになりたいという人がどんどん増えてくるといいなと思います。

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