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SUBARU健康保険組合 太田記念病院

病院案内about

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患者支援センターの役割

副看護部長 兼
患者支援センター 入退院管理室
師長 小林 操

救急科 主任部長 秋枝 一基
4月より入退院センターから患者支援センターへと変更されましたが、患者支援センター設立の経緯を教えてください。

当院は救命救急センターとして、入院治療が必要となる重症な患者様を多く受け入れていますが、現状を見てみると年間を通して病床利用率が高い状況にあります。つまり、重症な患者様を受け入れても入院していただくベッドを確保することが困難な状況です。そうならない為にも、ベッドの効率的な運用をさらに強化していく必要がありました。そこで元々は看護部門(入退院管理室)と事務部門(地域医療連携課)が単独で行っていた業務を、センター内で互いに連携しあうことで効率的なベッド運用をしていこうという目的が一つあります。
また、厚生労働省では“病院完結型”ではなく“地域完結型”を目的とした“地域包括ケアシステム”の構築を推進していますが、太田・館林医療圏は医師数が少なく、医療過疎地域と言われています。そこで、より一層病病連携・病診連携、また施設との連携を強化し、転院や施設入所をスムーズに行っていく必要があるため、そこにもっと力を入れて効率的なベッド管理をしていくためにも「みんなの力を集中し、ひとつの方向に向かって頑張っていきましょう!」という目的で設立されました。

患者様から見て手続きや対応等で変更になった点はありますか?

患者様にとっての変更点は特にないと思います。ただ、今まで長く“入退院センター”として案内していたスタッフたちがまだ慣れていない様子があります。患者支援センターへ案内するのに「入退院センターへ行ってください。」と案内してしまうことがあり、患者様が患者支援センターを探して迷惑をかけてしまったという事例もあります。
また、名称変更前からそうですが、入院予約の多い10時と14時は患者支援センターが混雑してしまい、患者様をお待たせしてしまうという問題があります。現在この課題をどのように解決していくか検討しているところです。

救急は今後さらに必要になる分野ですから、救急を目指す人を教育する為の専門教育ができるような教育機関等の確立が日本全国でできればいいなと思います。
患者支援センターでの看護師の役割を教えてください。

まず1つ目は病床管理をしているのでベッドコントロールを行っている他、入院予約患者様のベッドを決めています。また救命救急センターですので、重症な患者様を受入れられるよう、毎朝ICUとHCUのベッドは2床ずつ空床確保できるように努めています。しかし、すぐにベッドが埋まってしまったという相談も良く受けます。どうしても確保することが困難な場合は、他の近い病棟で空床確保できるように工夫をしていますが、もっと良い病床管理の方法を考えていかないといけないと思っています。まずは救急の患者様をいつでも受け入れられるように病床管理をしていく、というのが役割です。

そもそもベッドが足りていないという現状を受け、ベッドの数を増やすことは出来ないのですか?

それは難しいですね。国の方針としてベッドの数を減らす方向にありますので、現状を伝えたとしても当院だけ「増床していいよ」となることはないと思います。やはり空床を確保する為に、病病連携・病診連携を強化していくしかないと思います。あとは、病院を利用する方に地域の状況を理解していただくというのも大切なことではないかと考えます。当医療圏は医療過疎地域(医師不足)と言われていること、当院が満床に近い状態で推移していること等、病院側からもどんどん発信していかなくてはいけませんね。病院としても患者様は断りたくないという思いはもちろんあります。しかし、ベッドの空き状況の問題で重症な患者様を優先してしまうということもあるというのが現状です。

2つ目の役割は、退院後、地域に戻る際の患者様やご家族のサポートや支援です。地域医療連携課のMSW(医療ソーシャルワーカー)と連携を取り実施しています。在宅診療に移行する患者様へのサポートが入退院管理室の看護師の仕事です(他病院や施設へ移る場合はMSWが担当しています)。太田市では今年4月から新たに退院調整ルールが設定されました。在宅医療へ移行する場合は、主にケアマネージャーが支援プラン等の設定を行います。病院の看護師とケアマネージャーが顔の見える関係で信頼関係を持ちながら情報共有を行い、スムーズな在宅医療への移行を行う為にこのルールが設定されました。ケアマネージャーと看護師が連携を取りやすくなったことで、家庭での様子やご家族のこと、家の中でこういう状態が整えれば今の状態でも在宅医療へ移行できるのではないか、等の情報の交換ができ、患者様のことを一緒に考えることができます。そうすることで今までよりも在宅医療への移行が少しスピードアップすることができるようになったと感じています。

3つ目は入院時の情報収集を行っております。入院する患者様(もしくはご家族)は患者支援センターに立ち寄ることになっています。その際に入院する理由や、入院時に必要なものの説明、現在飲んでいる薬を伺い、検査や手術を行う前にその薬を中止する必要があるかどうかの確認、不安等のヒアリング…などを行い、入院後の検査等がスムーズに行えるように努めています。
最近は入院予約の患者様だけでなく、緊急入院する患者様やご家族に対しても入院前の関わりをもつことも始めました。そうすることで早い段階で退院する際、病院への転院が望ましいのか、施設がいいのか、在宅がいいのか、と考えられるようになりました。患者様やご家族、施設に入所されている方であれば施設の方と早い段階で顔の見える関係になることで、その後の対応もスムーズになったと感じます。こちらからの連絡だけでなく、患者様や施設側からの相談も増えたと思います。やはり「顔の見える関係」を作ることは大切なのだと実感しています。

より一層の連携のため早い段階で「顔の見える関係」になることでその後の対応もスムーズになり相談も増えたと実感しております。
HOPEをご覧の方へ一言お願い致します。

まだまだ取り組むべき課題がたくさんありますが、「入院前から地域での生活が継続できる支援を行う仕組み」を強化していきたいと考えています。
こちらからお声掛けをし、入院に際するお悩み等を聞くこともあるかと思います。どんなことでも良いのでお話しください。

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