SUBARU健康保険組合 太田記念病院

【病理診断科】臨床研究に関する情報公開research

【病理診断科】臨床研究に関する情報公開

自然尿の中に見られる細胞集塊の細胞診断学的意義

研究の目的

尿細胞診は低侵襲な検査として広く普及し、尿路上皮癌の診断に重要な役割を果たしています。近年、国際的な報告様式(The Paris System)第2版では診断の主眼が高異型度尿路上皮癌(HGUC)に絞られ、低異型度尿路上皮腫瘍(LGUN)の診断には特に言及されなくなりました。
本研究では、自然尿に出現する細胞集塊の大きさや出現パターンに注目し、AUC(異型尿路上皮細胞)と悪性疑い・悪性の鑑別、さらにHGUCと低異型度尿路上皮癌(LGUC)の鑑別について検討します。これにより、尿細胞診の診断精度向上に寄与することを目的としています。

研究の対象

2018年から2024年までに当院泌尿器科で内視鏡的腫瘍切除あるいは膀胱切除術を受け、組織診断が確定した膀胱腫瘍に関連する術前の自然尿細胞診検体(189例)を対象とします。

協力をお願いする内容:

ThinPrep法またはBD SurePath法で作製された液状細胞診(LBC)検体を、細胞検査士二人が独立に再評価します。細胞集塊の出現がある場合にはその最大径を、出現がない場合には孤在細胞(被蓋細胞を除く)の最大径を測定し、病理診断に基づく腫瘍の組織型との関連性について検討します。また、Papanicolaou分類、JRSUC2015、TPS1.0、TPS2.0に基づき細胞診断を判定し、各判定と組織診断との一致率や細胞集塊の大きさとの関連を統計学的に解析します。
研究結果は、研究対象者の個人情報が明らかにならないよう十分注意し、学会発表や学術雑誌上での公開を予定しています。

研究の期間

研究実施許可日から2026年3月31日まで

個人情報の保護

統計解析に用いる情報は、連結可能匿名化したうえで研究用パソコン(スタンドアローン)に厳重に保管し、施錠管理します。解析終了時には連結不可能匿名化し、研究終了後も厳重に保管します。個人を特定できない形で研究成果を公表します。

【お問合せ先】

SUBARU健康保険組合 太田記念病院
病理診断科 診療責任者 今井 康雄
TEL 0276-55-2200

診療受付時間
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