SUBARU健康保険組合 太田記念病院

臨床研究に関する情報公開research

【循環器内科】臨床研究に関する情報公開

循環器疾患診療実態調査(JROAD)のデータベースとCRT患者の予後に関わる因子に関する研究

研究の目的

日本は急激な社会の高齢化に伴い心不全となる方が激増しています。日本における正確なデータはありませんが、心不全患者数は2005年において約98万人であり、2030年には130万人に達すると推計されています。心不全が進行すると高率に心臓の電気の流れが障害され、心臓同期不全という心臓壁がバラバラに動く非効率的な状態となります(典型的には心電図で左脚ブロックという所見を認めるようになります)。心臓同期不全は心機能への悪影響を及ぼし、死亡率を増加させます。心臓同期不全に効果を有する治療薬は存在しません。CRT-D、CRT-Pによる心臓再同期療法(CRT)は心臓同期不全を改善させるために開発された心臓植込み型デバイス治療で、心不全悪化を防止あるいは心機能を向上させ、自覚症状や予後の改善をもたらすことから、心不全の標準治療となっています。しかし、30~40%の心不全はCRTに反応せず、様々な原因が想定されオプション機能の追加や工夫がなされていますが、日本においては全国規模の報告はなく十分ではありません。

本研究では、全国規模のデータベースである循環器診療実態調査(JROAD-DPC)のデータベースと各治療施設からの追加情報を用いて、CRT患者の診断・治療・予後における現状を把握することにより予後に関わる因子に関するエビデンスを構築することを目的としており、今後の治療に貢献できると考えています。

研究の対象

2016年4月1日~2021年3月31日の間に、両室ペーシング機能付き植込型除細動器(CRT-D)移植術、両心室ペースメーカー(CRT-P)移植術を受けられた方を対象としています。

研究方法

利用する診療情報は患者背景、各種検査所見(心電図、心エコー図、心臓核医学検査、CRTデバイス検査など)、研究期間中に起こった出来事(除細動器の作動、心不全のため入院、お亡くなりになるなど)とその日付です。

本研究で収集した情報を、国立循環器病研究センターにて保管し、解析を行います。提供方法は原則、Electric Data Capture System (EDC)を用いますが、EDCを用いてデータを提供することが困難な場合は、紙媒体あるいは電子ファイル(エクセルファイルなど)を用います。紙媒体で情報を送付する場合は追跡可能な郵送方法、エクセルデータで情報を送付する場合はパスワードによる保護を行い電子メール、あるいは外部記憶装置に格納し、追跡可能な方法で提供します。

提供する際は、あなたを特定できる情報は記載せず、個人が特定できないように配慮いたします。

協力をお願いする内容

本調査におきましては、対象となる患者様の医療情報(受診日時、行為の日時・手段・場所・行為時の状況、受診時の身体的・精神的状況、入院の有無・治療後の状況等)を参考に調査いたします。したがって患者様に新たにご負担をおかけする事はありません。

研究の期間

2023年4月27日より2026年3月31日までを予定しています。

個人情報の保護

本研究では患者様の診療記録からデータ収集を行うため、患者様のプライバシー保護に最大限の注意をはらいます。研究成果や学会発表・論文へ投稿をする場合も、個人を特定できないよう匿名化致します。本研究にご自身のデータ使用を望まれない場合、研究対象といたしませんので患者様もしくは代理人の方よりお申し出ください。不使用を望まれた場合でも患者様に不利益が生ずる事は一切ございません。

お問合せ先

SUBARU健康保険組合 太田記念病院
循環器内科 副院長 安齋 均
TEL 0276-55-2200

研究代表者:国立循環器病研究センター 心臓血管内科部門不整脈科 草野研吾

診療受付時間
月曜〜金曜 午前8時30分~11時00分
土曜 午前8時30分~11時00分
休診 第2、4土曜・日曜日・祝日・年末年始・開院記念の日
外来診療担当表