SUBARU健康保険組合 太田記念病院

臨床研究に関する情報公開research

【看護部】臨床研究に関する情報公開

補助循環を要する心原性ショック患者のDoor to Door time
~新型コロナウイルス感染症前後での検討~

研究の目的

急性心筋梗塞(以下AMI)は、経皮的冠動脈形成術(PCI)による早期再灌流療法の普及により40%以上の死亡率が5~9%程度まで改善しました。しかしショックを伴うAMIに関しては未だ高い死亡率であり、早期の補助循環治療を開始することが重要です。

当院ではこれまでも可能な限り素早く、看護部医師・救急科医師・臨床工学士・診療放射線技師・ER看護師が連携を図り、ERから心臓カテーテル室(以下心カテ室)へ直接入室し、いち早く患者に必要な医療行為を行い、スムーズに緊急心臓カテーテル検査を実施できるようにしてきました。しかしCOVID-19流行下では病院到着時のPCR検査やコロナ抗原検査の実施など、今までとは異なる現場対応を余儀なくされている現状があります。そこでERから心カテ室入室時までのDoor to Door Time(以下DDT)の現状を明らかにし、どのような因子がCOVID-19前後でDDTに影響しているのか検討しました。

今回の研究にて、補助循環を要する心原性ショック患者のERから心カテ室入室までのDDTの現状を明らかにし、どのような因子がCOVID-19前後でDDTに影響しているのか検討し、必要な看護を考察する事にしました。医学上の貢献としまして、研究対象者に対して直接的な利益は発生しません。しかし今後の治療成績、救命率の向上につながることが期待されます。

研究の対象

2013年4月1日から2023年6月30日までにAMIで心原性ショックを伴った患者様。さらに、緊急心臓カテーテル検査を実施し、補助循環を要した患者様を対象とします。

研究の期間

研究の実施期間は2023年10月11日より2024年7月27日までを予定しています。

協力をお願いする内容

本調査におきましては、対象となる患者様の電子カルテ、救急看護記録、心臓カテーテル検査記録から年齢、性別、体重、採血検査データ、既往歴、疾患名、各所要時間(病院到着時間、心カテ入室時間、補助循環装置開始時間、治療開始時間、再灌流した時間)、施行した処置、治療部位、補助循環装置を挿入した場所、離脱日、転帰を抽出します。収集したデータのうち、年齢、性別、体重、採血検査データ等を抽出して分析します。
既存のデータを使って研究するため、患者様に新たにご負担をおかけする事はありません。

個人情報の保護

本研究では患者様の診療記録からデータ収集を行うため、患者様のプライバシー保護に最大限の注意をはらいます。研究に伴い得たすべての情報は、匿名化を十分に厳守し内容分析を行います。またデータを分析する際には、インターネットに接続されていないパソコンを使用して電子化し、そのデータはロック付きUSBに保存を行います。データを保存したロック付きUSBは情報流出がないよう徹底し、鍵付きのロッカーで保管を行います。収集したデータは研究以外には使用せず、研究終了後5年間まで厳重に保管を行います。その後は読み取り不可能な処理を行った上で機密紙扱いにてデータの破棄を行います。

研究成果を発表する際には個人を特定できないよう匿名化致します。本研究にご自身のデータ使用を望まれない場合、研究対象といたしませんので患者様もしくは代理人の方よりお申し出ください。不使用を望まれた場合でも患者様に不利益が生ずる事は一切ございません。

お問合せ先

SUBARU健康保険組合 太田記念病院
研究代表者 ER 看護師 木村 亜由美
TEL 0276-55-2200

診療受付時間
月曜〜金曜 午前8時30分~11時00分
土曜 午前8時30分~11時00分
休診 第2、4土曜・日曜日・祝日・年末年始・開院記念の日
外来診療担当表