【小児科】臨床研究に関する情報公開
「血液凝固異常症レジストリ研究」に関する情報公開
研究の対象
本研究の対象者は、本研究に参加しているSUBARU健康保険組合太田記念病院において血液凝固因子異常による先天性出血性疾患と診断された患者、フォン・ヴィレブランド病と診断された患者、及び血友病保因者の方が対象になります。
研究目的・方法・研究期間
この研究の目的は、血液凝固因子異常による先天性出血性疾患患者、フォン・ヴィレブランド病患者、及び血友病保因者の方を対象に、研究対象者による報告を含む広範かつ経時的な疫学データを収集・蓄積する血液凝固異常症ナショナルレジストリを構築し、患者背景、治療状況、合併症、血液凝固異常症関連の検査等を追跡調査することで、血液凝固異常症の治療実態を明らかにすることです。また、本研究の実施医療機関を受診している血液凝固異常症患者の患者数を把握することを目的として、患者数調査も実施します。
本研究は、検査、投薬その他の診断又は治療のための医療行為の有無及び程度を制御することなく、研究対象者のために最も適切な医療を提供した結果としての診療情報を利用する実臨床下の非介入、非盲検かつ非ランダム化の観察研究です。患者数調査は、血液凝固異常症患者の患者数を把握する多機関共同前向き観察研究です。国内約 100 施設の研究機関で実施する予定です。本研究に関して、研究対象者への謝礼等はありません。
本研究の研究資金は、共同研究企業である中外製薬株式会社から提供されます。しかし、共同研究企業は、この研究の実施、解析、報告に係わることはないため、研究結果が共同研究企業の有利に歪められることはありません。また、この研究の業務の一部を委託される会社や機関もありますが、これらが研究の結果に影響するような意思決定に関与することはありません。また、この研究におけるレジストリの構築に必要な費用の一部は、共同研究企業の他に、複数の企業から協賛金として提供されています。研究の概要および協賛企業の情報は、日本血液凝固異常症研究調査機構(JBDRO)のウェブサイトで確認することができます。これらの協賛企業も、研究の結果に影響するような意思決定に関与することはありません。二次利用する企業の情報も協賛企業と同様に公開されます。患者数調査における資金は、JBDRO が提供しております。調査の計画・実施・報告において、結果および結果の解釈に影響を及ぼすような利益相反状況はありません。
研究開始にあたり、事前に倫理審査委員会において、研究の倫理性、科学性と研究費の透明性について審議されて承認を受けています。また、研究責任者および一部の研究分担者が共同研究企業の中外製薬株式会社より個人収入を受け入れ、利益相反関係が生じていることもありますが、利益相反関係の有無に関わらず、研究機関内の規程に従い、利益相反委員会にて利益相反の状況が確認されています。このように、この研究における利益相反の状態は、あなたの不利益につながることのないように管理されています。また、この研究は、すべての研究者と利益相反関係にない機関がモニタリング・監査を実施することで研究が適切に行われているか確認しデータを収集します。この研究の結果を学会や論文で公表する際には、利益相反関係を明らかにして、研究資金などの透明性を図ります。
共同研究:研究実施許可日~(西暦)2027年9月30日
ナショナルレジストリ:(西暦)2027年10月1日~中止決定まで永続的に実施
研究に用いる試料・情報の種類
当院の診療記録から以下の情報を収集します。
基本情報(疾患名、生年月、生存、人種、国籍、性別、重症度、家系図・家族歴、診断日、血液型、既往歴)、治療状況、最終来院日、医療利用、合併症、出血状況、血液凝固異常症関連検査・評価の情報(血液凝固因子の遺伝子検査を含む)、当院の血液凝固異常症患者の総数、患者背景ごとの患者数(患者背景:性別、疾患名、血友病重症度、血友病インヒビター既往、及び HIV 感染有無)
本研究専用アプリケーションによる報告が可能な研究対象者から以下の情報を収集します。
現住所(都道府県)、受診医療機関、QoL 調査(健康関連 QoL を測定するために開発された包括的な評価尺度である EQ-5D、PROBE 等)、症状詳細及び輸注記録
外部への試料・情報の提供
データセンター(国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター)へのデータの提供は、特定の関係者以外がアクセスできない状態で行います。
カルテなどの診療記録から収集された情報からは、お名前、ご住所等、研究対象者を直接識別できる個人情報は削除され、個人を特定できない形式に記号化した研究用の登録番号により管理されます。研究対象者を特定できる情報と研究用の登録番号を結び付ける情報は、当院の研究責任者が保管・管理します。
当院の研究責任者または倫理審査委員会が承認した限られた担当者(共同研究企業の社員・監査担当社員・臨床開発モニター 等)は、データが正しいことを確認するため、研究機関で研究対象者の診療記録や個人データを閲覧することがあります。閲覧者には守秘義務が課せられています。また、研究関係者はあなたの個人情報の保護に十分配慮し、法令を厳守します。
研究に関するデータや情報について、国内外の機関で実施する将来の医学的研究のために国内外の研究機関、医療機関、企業、承認審査機関からデータの提供を求められることがあります。現時点での提供先は以下の通りです。
- 提供先:世界血友病連盟(カナダ)、中外製薬株式会社の関連会社(EU・英国・米国)
- 当該外国における個人情報の保護に関する制度については、以下の Web サイトをご参照下さい。
個人情報保護委員会
新たな研究に用いる際には、国内外の規制に則り、適正な手続を踏んだ上で行います。
研究組織
三重大学医学部附属病院 松本 剛史
名古屋大学医学部附属病院 鈴木 伸明
SUBARU健康保険組合太田記念病院 小児科
血友病診療連携参加施設(ブロック拠点病院・地域中核病院)約100機関予定
血友病診療連携委員会公式ホームページ
中外製薬株式会社
一般社団法人 日本血液凝固異常症調査研究機構(JBDRO)