10月の外来診療担当表
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | |
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予約者のみ | 貴志第2週 | |||||
谷第4週 | ||||||
午前 | 伊原 | 伊原 静脈瘤・リンパ浮腫外来 |
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石田 | 石田 静脈瘤・リンパ浮腫外来 |
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伊藤 | 伊藤 静脈瘤・リンパ浮腫外来 |
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午後 | 伊原13:30 ~15:00 |
石田13:30 ~15:00 |
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石田13:30 ~15:00 |
伊藤13:30 ~15:00 |
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伊藤13:30 ~15:00 |
形成外科紹介
当科にて取り扱う疾患は、腫瘍切除後の再建のような大きな手術から、爪のケアといった日常生活に密着したものまで幅広いものです。
たとえば
- 組織欠損の修復、再建外科
- 良性、悪性にかかわらず、腫瘍切除後の再建
- 外傷による組織欠損、創傷治癒の遷延
- 先天的、後天的な形態や機能の修正 多指症、口唇口蓋裂 腹壁瘢痕ヘルニア、眼瞼下垂など
- 顔面骨骨折、切創や挫創等の外傷
- 外科的加療を要する可能性のある皮膚、体表の疾患
- 皮膚腫瘍
- 皮膚潰瘍、膿瘍
- 陥入爪、多重爪などの爪変形
- あざ、しみ
- ケロイド
- 瘢痕拘縮
- 虚血肢
- 褥瘡
- リンパ浮腫
特に体表面のトラブルについてはなんでも御相談下さい。
担当医
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伊原 淳jun ihara主任医長
- 日本形成外科学会専門医
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石田 花織kaori ishida
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伊藤 大喜daiki ito
リンパ浮腫について
浮腫は心臓や腎臓、静脈の障害など様々な要因で生じますが、その中でもリンパに何らかの障害があり、リンパ液の流れが滞り、四肢を中心に生じる浮腫を「リンパ浮腫(図1)」といいます。
手術や怪我の後遺症として生じるもの(続発性)とはっきりした原因がなく生じるもの(特発性)があります。続発性で最も多いのは、子宮がんや卵巣がん、乳がん、前立腺がんなどの手術でリンパ節を取り除いたり、放射線治療を行ったりした後に生じるものです。治療後比較的すぐに生じる場合もあれば、10年以上経ってから生じる場合もあり、発症時期は様々です。リンパ浮腫は一度発症すると、徐々に進行していき、重症化すると生活に支障を来すこともあります。残念ながら現在の医療でリンパ浮腫の完治は難しいですが、早期発見、早期治療を行うことで症状を改善したり、進行を遅らせたりすることができます。
【図1】リンパ浮腫
以前は問診や身体所見から診断されることが多かったリンパ浮腫ですが、浮腫は様々な原因で生じることがあるため、リンパ浮腫の診断にも客観的な画像検査が必要です。当院ではリンパシンチグラフィー(図2)やICGリンパ管蛍光造影検査などによるリンパ浮腫の診断を積極的に行っております。これらの検査はリンパ浮腫の診断だけでなく、障害の程度や手術適応の有無の判断にも有用です。
【図2】
リンパ浮腫の治療には保存的治療(複合的理学療法)と手術的治療があります。これらの治療はどちらが優れているという訳ではなく、組み合わせた治療が重要になります。複合的理学療法は弾性ストッキングなどの弾性着衣による圧迫やマッサージ(リンパドレナージ)などで浮腫の症状の改善を目指すものです。これに対して当院形成外科で主に行っている手術的治療は「リンパ管静脈吻合術(図3)」という、リンパ管と静脈を顕微鏡下で吻合することで、リンパ液を静脈に返す迂回路(バイパス)を作成し、リンパ流の滞りの改善を目指すものです。
【図3】リンパ管静脈吻合術
皮膚を数カ所小切開し、皮下脂肪内のリンパ管と静脈を吻合する手術になるため、非常に低侵襲で、術後の痛みもほとんどありません。手術の効果を出すためには術後も複合的理学療法の継続が重要となります。複合的理学療法に関しては必要に応じて、当院近郊の施設をご紹介させていただきます。
【術前】
【術後】