tPA(血栓溶解薬)を使用した経カテーテル血栓溶解療法(CDT)の安全性の検討:多施設共同後ろ向き観察研究
ウロキナーゼの供給停止に伴い、これまで通常に行われていた末梢動静脈血栓性疾患に対する血栓溶解療法の施行が困難になっています。これにより血栓性疾患患者の転帰に重大な悪影響を及ぼしていると考えております。海外諸国においては末梢動静脈血栓性疾患に対してtPAは広く使用されているものの、本邦においては保険診療上適応外であり、その使用経験は限られています。今回、tPA使用CDT治療を行っている施設に協力を得て、tPAを使用したCDTの本邦での安全性を検討することを目的とし、多施設後ろ向き観察研究を行う事としました。
当院にてtPAを使用し、CDT治療を行った症例を対象とします。
研究参加施設において対象症例に対し、エクセルデータシートを用いて臨床データ登録を実施します。抽出する患者データは、性別、年齢、体重、身長、既往歴、血液データ、治療手技内容、使用薬剤量、投与方法、投与時間、院内合併症(特に出血性合併症)、などです。
安全性の評価は合併症の頻度により評価します。使用薬剤の性質上、出血性合併症の頻度は特に大事な評価項目となります。
臨床的有効性として閉塞血管の再開通の有無、臨床症状の改善度を評価します。症状の関しては主観的な評価となります。各施設にて、研究担当医が上記のデータをカルテ情報から抽出し、エクセルをデータシートへ入力します。入力したデータは電子メールにて主任研究担当施設に電子メールで送付されます。
本調査におきましては、対象となる患者様の医療情報(性別、年齢、体重、身長、既往歴、血液データ等)を参考に調査いたします。したがって患者様に新たにご負担をおかけする事はありません。
後ろ向き観察研究であり、現在までにtPAを使用しCDTにて治療された全ての末梢動静脈疾患が対象となります。
本研究の解析から得られる結果により、tPAを使用したCDTの有効性・安全性を明らかにすることで、本邦での今後の当該治療妥当性の検証に寄与する事が期待されます。
本研究は後ろ向き観察研究であり、被験者に対する報奨はありません。
本研究は侵襲及び介入を伴わない後ろ向き症例登録であるため、本研究参加に伴って予想される有害事象はありません。
本研究では患者様の診療記録からデータ収集を行うため、患者様のプライバシー保護に最大限の注意をはらいます。研究成果や学会発表・論文へ投稿をする場合も、個人を特定できないよう匿名化致します。本研究にご自身のデータ使用を望まれない場合、研究対象といたしませんので患者様もしくは代理人の方よりお申し出ください。不使用を望まれた場合でも患者様に不利益が生ずる事は一切ございません。
質問のある方は下記連絡先までご連絡お願いします。
SUBARU健康保険組合 太田記念病院
研究代表者:循環器内科 副院長 安齋 均
TEL 0276-55-2200