外科紹介
当院は小児外科と乳腺外科が独立しており、一般外科は成人の癌を中心とした消化器疾患の全般的治療を行っています。
一般外科は6名の常勤医師が勤務しています。取り扱う疾患は、消化器癌が中心ですが、急性腹症や腹部外傷などの救急患者も数多く診療しています。
胃癌に対しては、腹腔鏡下手術(細いカメラを用いた傷の小さな手術)を取り入れています。
大腸癌に関しては手術の過半数を鏡視下手術で行っており、患者さんの負担軽減を図っています。
外来化学療法室を開設し、医師、薬剤師、看護師がチームを作り、有効かつ安全な化学療法(抗がん剤治療)をなるべく外来で施行しています。
また、院内で緩和ケアチームを作り、毎週緩和ケアラウンドを行っています。
NSTやストーマケアもチームによる取り組みを行っています。
最近、高齢者に対する手術件数が増加していますが、総合病院の強みを生かし心臓や腎臓などの合併症のある患者にも各科の協力を得て対応しています。
腹腔鏡下手術とは
腹腔鏡下手術とは、これまでのおなかを大きく切り開く手術とはまったく異なった手術です。
腹腔(ふくくう)とは、いわゆる「おなかの中の空間」であり、胃や腸や肝臓などが納まっているところです。鏡とは「カメラ」を意味しています。つまり「おなかの中の空間」に「カメラ」を入れて行う手術です。
このカメラのことを腹腔鏡(ふくくうきょう)と呼んでいます。
腹腔鏡下手術は全身麻酔で行いますが、寝ている間に「おなか」の壁に5mmから10mmの小さな穴をあけます。
トロッカーと呼ばれる細い筒をその小さく切開した皮膚の穴から差し込みます。その筒の中に腹腔鏡を通して、まず腹腔の中に挿入します。
腹腔鏡は現在用いられている胃カメラと同様の電子スコープというもので、おなかの中のものがフルハイビジョン対応のカラー映像で手術室内のテレビモニターに微細に鮮明に映し出されます。
ただカメラを入れるだけではおなかの中には空間がありませんので、中をのぞき込むことができません。
おなかの中にきれいな炭酸ガス(CO2)を吹き込むことで、十分な空間が確保できるのです。
手術時に患者さんは仰向きに寝ていますので、胃、大腸、小腸、肝臓、胆嚢、子宮などの臓器は背中の下のほうに落ちて、おなかの壁だけが炭酸ガスの注入でテントを張ったように持ち上がった状態になります。
おなかの中に空間を確保した後にさらに数個の小さな穴をあけ、そこより特殊な電気メス、超音波凝固メス、はさみ、ピンセットなどの鉗子(かんし)と呼ばれる器械を腹腔に挿入します。
手術室のいくつかのテレビモニターに腹腔内の映像が映し出されます。それらのテレビモニターを見ながら私たち外科医師は非常に細かい作業で手術を行うのです。
腹腔鏡下手術で使用する特殊な器械は、通常のおなかを切るときに使用する手術器械と比べ、おなかの壁に刺した筒を通して遠くから操作できるように長く作られています。
通常のおなかを切り開く手術の場合には、外科医師は自分の目で直接病気の臓器(胃、大腸、小腸、肝臓、脾臓など)を見ながら手術するのが普通です。腹腔鏡下手術の場合には、手術スタッフ全員が前方のテレビモニター画面を見ながら手術をするのです。
手術の種類によって異なりますが、5mmか10mm程の穴を何個か開けるだけで、おなかの壁に刺し込まれた筒を通して手術の操作をおこなうことで、胃がん、大腸がん、胆のう結石症などの手術が可能になるのです。
長い器械を使用して、実際に外科医師が手で病気の部位を触れることなく、二次元平面画像であるテレビモニター画面を見ながらおこなう手術ですので、外科医師にとって難易度は高く、高度な技術が必要となります。
しかしながら、最近のフルハイビジョン映像は人間が目で見るより大きく拡大することができ、極めて詳細な映像で手術ができるようになりましたので、技術がある外科医師にとっては直接病気の部位を目で見るよりはるかに正確で安全な腹腔鏡下手術が可能となるのです。
患者さんにとっては傷が小さいことから術後の痛みは少なく、術後早期に歩行が可能で、食事の開始も早く、入院期間も短く、早くから社会復帰ができます。
症例数・成績など
一般外科の全手術症例数は約600例です。
主な症例(2015.4.1~2016.3.31)は食道癌1例、胃癌43例(開腹32鏡視下11)、大腸癌106例(開腹37 鏡視下69)、膵頭十二指腸切除術8例、膵体尾部切除4例、肝切除術5例、胆嚢摘出術113例((開腹27鏡視下86)、虫垂切除術46例(開腹34鏡視下12)、鼠径ヘルニア131例などです。
また、抗生剤の使用を含め院内感染予防に努めており、MRSAなどによる重篤な感染症は減少しています。
新病院になってからの取り組み
ヘリポートを備えた三次救急病院となり、緊急手術症例が増えました。
大腸がんの手術症例数は増加しております。
担当医
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谷 紀幸noriyuki tani主任部長
- 日本外科学会専門医
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山下 俊樹toshiki yamashita医長
- 日本外科学会専門医
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成松 裕之hiroyuki narimatsu医長
- 日本外科学会専門医
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崎本 優里yuri sakimoto
- 日本外科学会専門医
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萩原 克洋katsuhiro hagiwara
- 日本外科学会専門医
- ロボット(da Vinci Xi)サーティフィケイト取得
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安岡 尭之takayuki yasuoka
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陳 鍇力kairyoku chin