【循環器内科】臨床研究に関する情報公開
JROAD/JROAD-DPCを用いた急性非代償性心不全を合併した甲状腺クリーゼにおける重症化因子・治療法解明のための多施設登録研究
研究の目的
本研究ではJROAD/JROAD-DPCのデータを利用し、急性非代償性心不全を合併した甲状腺クリーゼの患者背景や治療・予後について解析を行い、診療実態の把握を行います。さらに、研究Aのデータより急性非代償性心不全を合併した甲状腺クリーゼ診療に携わる病院を抽出し、研究協力が得られた施設において、診療内容の詳細および長期予後に関する二次調査・解析を行い、急性非代償性心不全を合併した甲状腺クリーゼの診断・治療・予後における現状の把握を目的とします。
研究の意義としましては、甲状腺クリーゼは致死率が高く、緊急治療を要する救急疾患であり、p-MCS導入に踏み切るべき指標が明らかとなれば、救命率を改善することにつながると考えられます。また頻脈がある症例では、頻脈が甲状腺機能亢進による高心拍出に伴うものであるか、あるいは低心拍出を代償するものであるかを急性期に見極めるための指標が明らかとなれば、甲状腺機能亢進症において標準的治療であるβ遮断薬の適応条件を明らかにすることが可能になると考えられます。また甲状腺クリーゼにおけるp-MCS導入の基準が現状ないことから、本研究の進捗次第で今後の甲状腺機能亢進症治療ガイドラインに反映させることができます。
研究の対象
JROADデータから「甲状腺クリーゼであることが推定される、緊急治療入院症例」の患者様を対象としています。
協力をお願いする内容
本調査におきましては、対象となる患者様の医療情報(受診日時、行為の日時・手段・場所行為時の状況、受診時の身体的、精神的、入院の有無・治療後の状況等)を参考に調査いたします。したがって患者様に新たにご負担をおかけする事はありません。
研究の期間
2023年9月16日から2028年3月31日までを予定しています。
個人情報の保護
本研究を実施するにあたっては、研究対象者の個人情報保護について、適用される法令、条例を遵守すします。
また関係者は、研究対象者の個人情報および個人情報保護に最大限の努力を払い、本研究を行う上で知り得た個人情報を正当な理由なく漏らしません。関係者がその職を退いた後も同様とします。
本研究で取り扱う患者さんの診療情報は、個人情報をすべて削除し、第三者にはどなたのものかわからないデータ(匿名化データ)として使用します。
患者さんの個人情報と匿名化データを結びつける情報(連結情報)は、本研究の個人情報管理者が研究終了まで慎重に管理し、研究の実施に必要な場合のみに参照します。また、研究終了時に完全に抹消します。なお、連結情報は当院のみで管理し、他の共同研究機関等には一切公開いたしません。研究で得られた結果は学会での発表を予定していますが、その際にも患者様の名前など、研究対象者を特定できる情報は含まれません。
お問合せ先
SUBARU健康保険組合 太田記念病院
循環器内科 副院長 安齋 均
TEL 0276-55-2200