SUBARU健康保険組合 太田記念病院

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新たな国民病”CKD”をしっていますか?

CKD(Chronic Kidney Disease)とは慢性腎臓病のことを指します。CKDはさまざまな種類がある腎臓病の総称で、患者様にとっても、医療者にとっても腎臓病をわかりやすいものにしようという医学界の新しい動きです。

腎臓ってどんな働きをしているの?

腎臓は、体の中の水分を調節したり、血液をろ過し、老廃物や塩分を排出しています。そして体内のイオンバランスを保ち、また、レニンという酵素を産生し、血圧の調節を助けています。さらに赤血育と維持といった重要な機能の調節を助けていて、生命を維持する上で欠かすことのできない働きをしています。

脳卒中
慢性腎臓病とは!?

腎臓の機能が60%未満に低下することを言います。日本における患者さんは、1,330万人(20歳以上の成人の8人に1人)いると考えられ、新たな国民病ともいわれています。

CKDの原因には、腎臓そのものの病気がきっかけになっている場合と、糖尿病などの生活習慣病が腎臓を刺激して起きている場合があります。

腎臓の機能は失われると回復することがない場合が多く、慢性腎不全といわれる病態になります(急性腎不全の場合は機能が回復することもあります)。しかし、近年では医療技術が進歩し、早期に治療を開始すれば、腎臓の機能の低下を防いだり、遅らせたりすることが可能になりました。

あなたの腎臓は大丈夫?!

なかなか症状が現れず、自覚しにくいことも慢性腎臓病(CKD)の特徴のひとつです。そこで重要となってくるのが、健康診断による定期的な検査、また、日常的な体調管理の中で異変に気づくことです。

腎臓機能のチェックリスト
腎臓病を悪化させないために・・・

定期的に健康診断を受け、尿や血圧の検査をすることが早期発見につながります。特に尿たんぱく陽性の方は要注意ですので、かかりつけ医でくわしい検査を受けるようにしましょう。

また日々の食生活で塩分を控えめにする、1日の自分に見合った摂取カロリーをすることを心掛けましょう。

腎臓内科 松清先生に聞きました!
Q1 CKDが注目されるようになったのは何故ですか?

A: 2007年に行われた調査で1330万人(20歳以上の成人8人に1人)がCKD患者であることが分かりました。

また、生活習慣病との関連も深く、誰でもかかる可能性のある“新たな国民病”と認識されるようになりました。さらに“末期腎不全のみならず心筋梗塞など心血管疾患の発症・進行を増加させる”ことも明らかになりました。

今日では、脳・心・腎連関をはじめとする臓器関連の重要性も知られ、認知症やサルコペニアなどもCKDと関与すことも明らかにされています。一方、我が国の血液透析患者は約33万人と増加しており、医療経済へ与える影響も大きいです。このような背景があり、近年は様々なCKD発症・進展予防対策が行われています。

Q2 どのくらいの年代の人でどういう人に見られる病気ですか。

A:生活習慣病として、話題になっているメタボリックシンドローム。メタボリックシンドロームはCKDの危険因子です。

メタボリックシンドロームの症状である「糖尿病」、「高血圧症」、「脂質異常症」は腎臓の働きを低下させる要因です。

メタボリックシンドローム(内臓脂肪型肥満に高血圧症、糖尿病、脂質異常症が複数合併)や、ご家族にCKDの患者さんがおられる人は比較的リスクが高いといえます。また、高齢化に伴いCKDに患者の割合は増加します。加齢に伴う腎臓の老化に加えて、高血圧や糖尿病などの合併症の頻度も高まります。さらに、薬剤による腎障害の頻度も高いです。2007年に行われた調査では、65歳以上の約30%がCKD患者だとされています。

Q3 かかりつけの先生にCKDと言われました。すぐに専門医に受診したほうが良いですか?

A:A.CKDの原疾患が診断(あるいは推定)されており、病状も安定している場合、すぐに専門医を受診する必要はありません。しかし、eGFRが60未満の方や、高度な蛋白尿(0.5g/日以上)を認める場合は注意が必要です。腎臓内科の受診歴がなければ、一度、腎臓内科を受診する事をお勧めします。また、血尿と蛋白尿が同時陽性の場合は、慢性糸球体腎炎の可能性があります。この場合も腎臓内科を受診した方が良いでしょう。

Q4 CKDが進行するとどうなってしまうのですか。治療すれば完治しますか?

A:腎臓が十分にその役割を果たせなくなった状態を腎不全といいます。腎不全になると食事の内容や水分などを制限する必要があります。さらに腎臓の働きが低下すると腎臓の働きを代替する治療(透析や腎臓移植)を受けることになり、日常生活に大きな影響を与えることになってしまいます。腎臓は病気がある程度まで悪くなってしまうと、もとの正常な状態に回復することは難しいですが、生活習慣の改善や薬物治療により病気の進行を遅らせることが期待できます。定期的に健康診断を受けることで、CKDの早期発見と予防に努めることが重要です。

腎臓内科では蛋白尿、血尿の原因となる腎炎、糖尿病が原因となる糖尿病性腎症、高血圧が原因となる腎硬化症などの慢性腎臓病に対する診療を行っています。また、腎機能障害が進行した場合には、腎代替療法として、血液透析のみならず、腹膜透析の導入を行っており、当科は腎疾患のすべての時期に対応した診療を行っています。
外科医との連携を適切に行っており、内シャント造設術、腹膜潅流カテーテル挿入術を適切な時期に行っています。

腎臓内科 松清 立先生

腎臓内科
松清 立先生

この検査数値に注目!!「eGFR」
この検査数値に注目!!「eGFR」

腎臓の機能を表す指標として、血清クレアチニン値をもとに糸球体濾過量を推定した推算GFR(eGFR)が用いられます。腎臓にどれくらい老廃物を尿へ排泄する能力があるかを示しており、この値が低いほど腎臓の働きが悪いということになります。慢性腎臓病(CKD)は、その重症度に応じて、ステージ1からステージ5の5段階に分けられています。

検査項目 特徴 基準値
eGFR 腎機能を評価する基準。
血清クレアチニンから求められる。
腎機能の低下とともに値が低くなる。
60以上:他に腎臓病を疑わせる所見がなければ経過観察
60未満:CKDと判断できる
クレアチニン(Cr) 筋肉中のたんぱく質の老廃物、腎臓のみで排出される。
腎機能の低下とともに値が低くなる。
(筋肉量が多い人は値が高くなるので注意)
男性:0.65~0.90mg/dl
女性:0.46~0.79mg/dl
血圧 動脈硬化の進行や塩分過多で高値となり腎機能の
低下に拍車をかける。
収縮期血圧:130mmHg 未満
拡張期血圧: 80mmHg 未満

その他も腎臓に関係する検査数値です。

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