SUBARU健康保険組合 太田記念病院

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ピックアップ

~東日本大震災、熊本地震の教訓を活かして~

災害に立ち向かう

職員ひとりひとりが災害拠点病院の職員という使命感を持って
いざという時に行動する力を身につけ災害に強い病院に

東日本大震災から7年…

 東日本大震災から7年が経過しました。被災地では土地のかさ上げや防潮堤の建設が進み、復興住宅や商業施設も相次いで完成していますが、今もなお多くの人が被災地で避難生活を余儀なくされています。

また平成28年には熊本地震、平成30年群馬県白根山噴火、島根県西部の地震、大分県中津市の山崩れとどこで何が起きるかわからない状況にあります。「まさか私たちが!」いつ誰にでもあり得ること。皆さんは、災害についてご家族で話し合ったり、何か対策は立てているでしょうか。

当院では、いざ災害が起きた時にあわてずに安心して治療を受けていただくために、日頃から必要物品の備蓄、設備・機械等の点検、職員への研修を行っています。

太田市周辺で大地震が起こる可能性も

関東平野北西縁断層帯周部、太田活断層があるのでいつ起こってもおかしくありません。(熊本地震も今後30年の間で地震が起こる確率はほぼ0に近いとされていたのに起こりました。)

当院では、来たる災害に備えてこのような取り組みを行っています。

① 建物の構造
当院では、地域災害拠点病院として地震時の安全性を向上するため、免震構造となっています。「免震」とは地震のエネルギーを吸収することによって建物への被害を免れる方法のことです。震度7の地震が来ても倒壊の危険はないと想定されています。

②水道・電気関係
非常時に備えて、透析や調理、手洗い、洗浄用等の水と、トイレ洗浄用等の水は、約1日供給が目安となっています。 非常用発電機は、1000Kwが2基あり、約48時間運転が可能となっています。 その他、酸素等の医療用ガスの予備や防災用具(ヘルメット、トランシーバー等)があります。これらは、非常時にすぐに対応ができるように、日頃から点検を行っています。

③備蓄品の管理
災害時には生活道路の寸断により孤立状態になることも想定されます。当院では自衛隊等の給食支援到達までの期間を考慮して、3日分の飲み水・食料を備蓄しています。

(備蓄品目安)
入院患者:400人×3日分
職員・ボランティア:1000人×3日分
飲み水:1人1日900ml×1400人×3日

図解免震構造 免震構造とは:建物をアイソレータで支えて地面から浮かせ、ダンパーで地震エネルギーを吸収することにより、大地震時の激しい揺れからの免れる技術です。

④災害対策委員会・DMAT隊
災害対策委員会には、18名のDMAT隊員を中心に、各部署から1名ずつ所しており現在は約50名で構成されています。災害が発生した時に迅速に対応できるように月に1度集まり、勉強会や多数傷病者来院時の動きを確認しています。また、年に1度大規模災害訓練を行っています。そこで出た課題は次年度の委員会の中で検討を行います。
“DMAT”とはDisaster Medical Assistance Team(災害派遣医療チーム)の頭文字をとった略称で、阪神・淡路大震災の時に初期医療体制が整っていなかったという反省から組織されました。医師、看護師、業務調整員(医師・看護師以外の医療職及び事務職員)で構成され、大規模災害や多傷病者が発生した事故などの現場に、急性期(おおむね48時間以内)に活動できる機動性を持った、専門的な訓練を受けた医療チームです。

地域災害拠点病院
県内や近県で災害が発生し、通常の医療体制では被災者に対する適切な医療を確保することが困難な状況となった場合に、知事の要請により傷病者の受け入れや医療救護班の派遣等を行う施設。

interview

看護師・災害対策委員
日本DMAT隊員

邉見 聖子(へんみ さとこ)

看護師・災害対策委員 日本DMAT隊員
病院内におけるDMAT隊の活動内容を教えてください

災害時マニュアルの整備や、院内災害訓練の企画・運営・検証を行っています。他にも各部署、病棟の災害委員に対する勉強会を看護師向け、事務員向けに分けて行ったり、医療資機材の管理や定期的な点検も行っています。

どのようなことを話し合っていますか

勉強会の内容や訓練の検証などですね。先日も「災害時はエレベーターが使えず自力避難できない患者さんを担架で搬送する際の安全性やかかる時間」について自分たちで体験・検証を行いましたが、実際にやってみると問題点がたくさん見つかりました。
あと、今年1月の白根山噴火の際に群馬県庁の要請を受け私もDMATとして出動しましたが、出動までに時間がかかり出遅れてしまった事をうけ、後日DMAT内で話し合いたくさんの改善点が見つかりました。

実際に災害が起きて持病が悪化してしまったりケガをしてしまった時はどうすれば良いですか

災害時に悪化しやすいと考えられるのは、糖尿病・高血圧・喘息・関節リウマチ・透析をしている腎疾患等の方だと思います。

例えば
糖尿病の方:インスリン注射セットや 血糖測定器、ブドウ糖
高血圧の方:小型の自動血圧計や屯用の降圧剤
喘息の方:吸入薬やピークフローメーター
関節リウマチの方:関節を温めるものや鎮痛薬
透析をしている腎疾患の方:(あれば)透析のデータ

これは常に持ち出せるようにしておいた方がいいと思います。
おくすり手帳は必須です。手帳を持って病院へ行けば、医師へ説明する時の助けになります。携帯の写真機能を利用して内容を保存しておくのも良いです。
ケガをした時は、ケガの程度にもよりますが「家具が転倒して下敷きになった」「高所から転落した」等、これは危ないという時は救急車を呼んでください。出血・骨折・やけど等の応急処置の方法はインターネットにも載っているので、参考にするといいと思います。
また、救急箱は定期的にチェックしておく事をおすすめします。自分に必要な薬や衛生用品を用意して、1年に1回は使用期限を確認してください。私もケガをした時にすぐに使えるよう処置一式セットを用意しています。

災害時に備えて普段から準備することはありますか

地震の際、家具が倒れないように固定する、家具などで出入口をふさがれないよう入口付近には物を置かない・置く位置を工夫することが必要です。他にも避難場所や避難経路の確認も事前に行っておくと良いと思います。また懐中電灯、電池、非常食や飲料水(3日分)、トイレットペーパー、ティッシュ、非常用持ち出しバック等を準備しておくことも必要です。我が家でも定位置にラジオ付き手動懐中電灯が置いてあり、東日本大震災の時にも役に立ちました。

ラジオつき手動懐中電灯
今後の展望を教えてください

災害拠点病院であり、3次救急病院でもある当院は、大規模災害時には万全の態勢を備え、入院患者や地域住民のために医療を提供する事が求められます。しかし実際に大規模災害が起きたとしたら、どれくらいのスタッフが行動できるか、どの程度病院が機能するかと考えると正直、不安なところもあります。職員ひとりひとりが災害拠点病院の職員という使命感を持って、いざという時に行動する力を身につけ、災害に強い病院になるよう今後も活動を継続していきます。

熊本地震での活動報告

まず阿蘇市の病院の救急外来で診療業務にあたりました。被災者でもある現地のスタッフに少しでも休んでいただくのが目的です。他の地域からの医療支援者と協力し、計57名の患者の診療を行いました。それからは「被災者のためになることなら、医療に限らず何でも行う」というDMATの精神に則り、避難所での検査・診療から救援物資の運搬などできる事をできるだけ行ってきました。短い期間ではありましたが、被災者の方のお役に立てていたら幸いです。

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